相続セミナー 寄与分について
先週、某金融機関主催の相続セミナーがあり
約2か月ぶりに当事務所の代表が講師を務めさせていただきました。
参加人数は20名ほどで、セミナーの途中にご質問を受けながら
終始和やかな雰囲気で無事に終了致しました。
以前にブログでもチラッと触れていましたが
亡くなった方に子供がいなく両親もすでに亡くなっている場合
兄弟姉妹が相続人になります。(第三順位)
セミナーでこのご説明をしている最中に、どうして兄弟が相続人になるのですか
関係ないのでは…と腑に落ちてない様子で質問されていた方がいましたが
残念ながら民法で定められています。
ただ、子供(第一順位)・両親(第二順位)・兄弟姉妹(第三順位)と
順位が下がるにつれて1/2・1/3・1/4と法定相続分も少なくなります。
配偶者は常に相続人になるので、逆に法定相続分が増えていきます。
納得のできない方も多いとは思いますが、法定相続分を知ると
少しは妥協できるのでは…。
あと寄与分のご質問もありました。
寄与分とは共同相続人間の公平をはかるために昭和55年に導入されたもので
昭和56年以後に相続が開始した遺産分割に適用されます。
亡くなった人にさまざまな形で貢献してきた親族に
相続分以上の財産を取得させようとする制度ですが
介護してきたからという理由ではなかなか主張するのは難しいようです。
何故なら子が年老いた親の面倒を看るのは一定の範囲までは当然とみなされ
特別な貢献でなければ認められないケースが多いようです。
また特別な貢献があったとしても
その対価や報酬が支払われていた場合は認められません。
(例えば介護をしていたけれども、家賃を支払わずに同居していた場合
親の事業を手伝っていたけれど給与をきちんと貰っていた場合など…)。
寄与分は共同相続人間の協議では多くのケースで合意ができず
認められないため子の介護に報いるためには
やはり親の遺言書が一番の解決策かと思います。
介護してくれた子がより多くの財産を取得できるような
内容の遺言書を作成しておくことが必要ですが
保険を利用するのもよい方法ではないでしょうか。
保険の受取人を介護などでお世話になった子供の名義にしておくと
分割協議の必要もなく遺留分の心配もしなくて済みます。
親の介護問題と将来の遺産分けは早い段階からさまざまな方法で対策を考えて
残された遺族がいがみ合うことがないようにしておきたいですね。