遺産相続の改正
遺産相続の仕組みが40年ぶりに大きく改正されますが
最近新聞やテレビでも話題になり耳にする方も多いのではないでしょうか。
その中でも、今回は7月から新設された、預貯金の払戻制度について触れたいと思います。
これまでは2016年の最高裁の決定により
遺産分割協議がまとまる前に単独での払戻は認められなかったのですが
今回の改正で一定割合までは法定相続人単独で払戻が可能になりました。
例えば、預金額が600万円で法定相続人が配偶者と子供2人の場合
配偶者が1/2の300万円、子供2人は1/4ずつで150万円になります。
法定相続の1/3か、ひとつの金融機関で上限150万円なので
いずれか多い額が払戻可能な金額になります。
この場合配偶者は100万円、子供達は50万円になりますが
仮に150万円を超える場合は上限の150万円までになります。
ただ、裁判所が必要と認めた場合は他の相続人の利益を害しない範囲で
上限なしに引き出せるようですが、遺産分割協議書の中で精算する必要があります。
今回の改正で、取り急ぎ必要な葬儀費用や納税など
相続人さんにとって便利になる反面
相続人同士の関係が良好であれば問題ありませんが
そうでない場合は誤解や紛争の可能性も出てくるのでは…と少し懸念があります。
いすれにしても、亡くなった人の思いを大切にし、自分自身も含め、心ある想続を心掛けたいものですね。