相続専門ふたば行政書士事務所 心ある「想続」になるお手伝いブログ

相続手続きに関する知識やエピソードをご紹介します

感謝の気持ちを忘れずに…

すっかりご無沙汰しましたが、今回が今年最後のブログになりました。

本当に年々一年が早く感じますが、皆さんはいかかでしょうか…

 

ついこの間、新年がスタートして事務所の者と「今年もあと残すところわずか11か月と25日ですね~」

と冗談を交わしていましたが、ふと気づくと残り4日となりました。

 

今年一年を振り返ってみると…

 

私事でありきたりではありますが、特に大きな怪我や病気もせずに楽しく過ごすことができました。

ここ1、2年ほど前から歳のせいか映画鑑賞や、バレエ・ミュージカルなどの公演を

観るのがとても癒され至福のひとときになっています。

また、以前からお笑い番組がとても好きで、何度か旭川に来た芸人のお笑いライブに

娘と一緒に行き、楽しい時間を過ごしました。

(特にお笑いコンビ、ロッジのなま中岡は感動ものでした…(笑)

 

仕事の方は、今年の秋に経験豊富な相続スタッフが2名増え、相続チームとして体制が整いました。

今後は益々お客様の顧客満足度をアップできるよう、スタッフ一丸となって

誠意を尽くして頑張っていきたいと思います。

 

また、札幌では司法書士事務所とタイアップして相談会を開催し、ご好評をいただきました。

写真はその時のセミナーの様子です。

 

さらに、来年の2月には東京の銀座に事務所を移転し、「相続が開始し不安に感じているお客様に少しでも貢献できれば」と決意しています。

 

今年は皆様のお陰で多くの相続税申告・手続きをさせていただきました。

来年も皆様に感謝される事務所を目指して日々精進して参りますので、何卒よろしくお願い申し上げます。

 

それでは皆さま、良いお年をお迎えくださいませ。

 

 

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遺贈について

昨今、社会貢献のため自分の死後、特定の人や団体に財産を譲る「遺贈」に対する

関心が高まっているようですが、少子化の影響や単身のおひとり様が増えたことが

背景にあるようです。

今回はその遺贈について触れてみようと思います。

 

遺贈とは、財産のある人が遺言により相続人以外の人や団体に

その財産を与える行為のことです。

日本財団が昨年3月に実施した世論調査では、60歳以上の親世代の2割強が

遺贈に前向きで、59歳以下で親がいる子世代の半数弱は

親の遺贈に賛成の意向を示しています。

 

遺贈を考える人の理由はさまざまですが

子供のいない夫婦の場合は普段あまり付き合いのない親族に残すよりは

社会に貢献したいとの意向があるようです。

また、子供がいる場合でも余計な財産を残すことで争ってほしくない…とか

相続人がいない場合は、遺言書がないとその人の財産は国庫に入るので

自分で使い道を決めたい…という人もいます。

 

遺贈をする方法としては遺言書を作成し、遺言執行者が遺言で指定された相手に

遺産を贈る手続きをします。

その際に遺言の付言事項で自分の気持ちを記載することをお勧めします。

付言事項とは、法律に定められていないことを遺言書で付言する事で

法的な効力は生じませんが、「ある団体に、こんな風にお世話になった」など

死後に自分の思いを残すことで周囲も納得してくれると思います。

また、子供たちに遺言書を残す場合でも、付言事項を記載することで

遺言者の思いが伝わり、相続人間で紛争になりにくく

また良好な関係を続けることができるのではないでしょうか。

 

ただ、ある団体に全ての財産を遺贈したいと遺言書を残した場合でも

遺留分」という法定相続人が相続財産の一定割合を必ず確保できる

法的な権利がありますのでご注意下さい。

 

 

お墓の最新事情

今回は昨今のお墓事情について書こうと思います。

お墓に対する考えは少子高齢化核家族化に伴い日々変化しているようですが、具体的にはどう変化しているのでしょうか。

 

お墓の管理をしていくことは、金銭面、管理など結構大変です。

特に長男は家督相続のなごりから、結婚したら嫁とともに実家を継ぐといった

しきたりがありますが、近年ではその傾向も減りつつあるようです。

結婚と同時に独立し実家から離れた場所で生活する人が増えてきたため

お墓のことで子供に迷惑をかけたくないと考える親世代が増えています。

実際、私の母親も以前同じようなことを話していました。

また少子化の影響で一組の夫婦がいくつものお墓を管理しなければならないし

維持費もかかるため負担も大きくなっているのではないでしょうか。

そのため、一つのお墓を複数の家族用にするケースも増え「両家墓」

さらには「多家墓」も出現し、縦長の和型から横長の洋型が主流のようです。

和型に比べ石材の量が少なく費用が安く済む、重心が低く地震に対する備えになる

背が低いため清掃しやすい、などといったメリットがあるためです。

ただ、子供がいない人は自分の代にお墓を継いでくれる人もいなくなり

管理もできなくなるため無縁墓となる心配があります。

そうなると、そのお墓は撤去されて同じような状態の遺骨と一緒に合祀になりますが

その前に自分の代で「墓じまい」をして永代供養墓などにする方も増えているようです。

ただ、生きた証を残したい、しっかりと供養してあげたい、他人の遺骨と一緒になるのに抵抗がある…といった気持ちがある方にとっては不向きです。

お墓は家族にとって亡くなった故人のことを偲んで会いに行ける所なので、家族ごとに埋葬をする一般的なお墓を望む方もいるかと思います。

 

なんだか寂しい現状ですが…

いずれにしても、簡単にやり直しがきかないだけに家族間でトラブルにならないためにも良く話し合いをしながら考えていくのが良いかと思いました。

みなさんはどう感じたでしょうか…。

 

人生100年時代

昨今、「人生100年時代」という言葉をよく耳にする方もいらっしゃるのでは…

と思います。

日本は長寿大国で有名ですが2016年の平均寿命は女性が87.14歳、男性が80.98歳といずれも香港に次いで世界第2位で、明治・大正期の2倍近くになったようです。

 

2016年に出版されたイギリスの教授が書いた「ライフシフト 100年時代の人生戦略」という本がきっかけになったようですが、この本には2007年に生まれた日本の子供の

半数が107歳に達するという内容が書かれているようです。

医療が発達した昨今、世界的に平均寿命が上がることは予測できるとは思いますが、107歳と聞くと驚く方も沢山いるのではないでしょうか。

 

わたくし事にはなりますが、自分の両親の家系は共に長寿ですが、母方の祖母はなんと昨年100歳を迎え、旭川市職員の方がわざわざ自宅にお越しいただいて、市から祝状と記念品を贈呈されたと母が話していました。

その祖母はというと、長寿なだけでなく超健康体で、今まで大病や入院の経験もなく

風邪すらほとんど引いたことがない人で、常備薬も現在に至るまで全く服用していないのが、本当に驚くばかりです。

ただここ数年前からは私のこともあまりわからなくなり、耳もだいぶ遠くなっている

様子ですが…。

 

昨年の9月の時点で、100歳以上の人は67824人でこのうち女性が9割近くを占めていて道内には3126人います。

このように高齢化が進むにつれて、認知症や寝たきりのお年寄りが増えて

年金・医療・介護などにかかる費用も深刻になりそうです。

 

ただ、健康であれば人生をより長く楽しむことができ、悪いことばかりでもないように感じます。

現在ですと、50歳を超えると人生残り3分の1強で初老の域に突入した感覚になりますが、100歳まで生きられると考えたときに、折り返し地点でまだまだ人生これからだと前向きに考えられそうですよね…

そのためには、いかに健康な老後を迎えるかが重要だと広く認識されていて、最近は健康に関する番組が凄く増えたような気がしています。

そんな私自身も大変興味があり、つい見入ってしまいますが…(笑)

 

これからの超高齢化社会に向けて、相続などでお困りになる方も益々増えていくことが予測されますので、世の中の一人でも多くの方々のお役に立てるよう、精進していきたいと感じる今日この頃です。

自筆証書遺言の改正について

相続に関する民法が約40年ぶりに見直されていることについて

ここ数回にわたりブログでお伝えしていますが

今回は自筆証書遺言についての改正について取り上げたいと思います。

 

遺言書には公正証書遺言と自筆証書遺言があります。

作成できる年齢は15歳からで年齢制限はありませんが

重要なのはいずれも作成時に意思能力があることです。

 

公正証書遺言は公証人役場で作成し、原本は公証人役場で保管されます。

立会人のもとで公証人が遺言内容を口述し作成するのもので

費用はかかりますが以下のメリットがあります。

 

〇形式内容の不備による無効のおそれがない。

〇紛失・隠蔽・偽造のおそれがない。

家庭裁判所による検認手続きが不要である。

 

一方、自筆証書遺言は手軽に作成でき費用もかかりませんが

デメリットもいくつかありました。

今回の法案が通ればそのデメリットが大幅に改善されます。

ちなみに改正案は下記の通りです。

 

〇従来自分の責任で保管しなければならなかったのが、法務局でも保管が可能になる。

(法務局では画像情報で保管)

〇法務局で保管すれば家庭裁判所での「検認」の手続が不要になる。

〇従来は全文が自筆だったのが財産目録に限りパソコンでの印字が可能になる。

 

このように制度が改善されれば、遺言者にとっても従来よりも十分安心できますが

一方で記載漏れなどにより思いが通じない場合もあるようです。

 

それぞれ一長一短がありますが、お子様がいないご夫婦や

法定相続人以外の人に遺産を上げたい場合、紛争の可能性がある場合など

遺言書を作成しておいた方が良い人は、いずれかの方法で遺言書を作成しておくことをお勧め致します。

 

配偶者の居住権について

前回のブログで、民法の相続分野の見直しについていくつか触れましたが

その中で今回は「配偶者居住権」に焦点を当ててお話ししようと思います。

 

残された配偶者の優遇措置として

これまで通りの家に住み続けられる権利のことですが

亡くなった人の住居の権利は「所有権」と「居住権」に分けて

価格を評価することになります。

配偶者は居住権を獲得すれば所有権が誰に移っても家に住み続けることができ

原則亡くなるまで行使でき、譲渡や売却はできなくなります。

気になる評価額ですが、平均寿命などを基に算出され

配偶者が高齢であるほど安くなることが想定されます。

現行でも配偶者が所得すれば済み続けることができますが

建物の評価額が高額の場合、他の相続財産を十分に取得できないケースなどが

指摘されてきました。

 

今回の法改正により配偶者が居住権を得れば

預貯金等などより多く相続することができるようになります。

例えば現行法では、夫が死亡し妻と息子一人が

家(評価額が2000万円)と預貯金など(3000万円)を

法定相続通り2分の1ずつ分割する場合

妻が家を取得すると現金などは500万円しか取得することができません。

これに対し居住権の評価は所有権より安くなるため

他の財産をより多く受け取ることができます。

さらに婚姻期間が20年以上の夫婦で、家を配偶者に生前贈与するか遺言を残した場合

その家は遺産分割の対象にしないことも定めています。

 

民法の相続分野の大幅な見直しは、1980年以来約40年ぶりだそうですが

高齢化社会に向けて、配偶者の今後の生活を守るためにもやはり法改正は

必要だと共感しました。

 

次回は他の法改正についてお話しようと思います、お楽しみに…。

 

これからの相続

2018年に入りあっという間に1か月ちょっとが経ちましたが皆様

お正月はどのように過ごされましたか。

 

私事ではありますが、久しぶりに元旦から娘と初売りに行ってきました。

朝一番から娘と張り切って旭川の中心部に行ったのですが

西武が撤退した影響もあり、買物公園は昔のような賑わいがなく閑散としていました。

幼少のころ、母に連れられて丸井さんや西武、長崎屋とデパート巡りをしたころが

懐かしく古き良き時代だったと感慨深いものがあります…

やはり北海道第二の都市でデパートがないのはとても寂しいものですね。

 

さて、本題に入りますが、高齢化社会が急速に進んでいる背景もあり

相続法においていくつか大改正が議論されているようです。

 

現在の相続法では配偶者の法定相続分1/2ですが

これを婚姻期間が20年から30年と長期な場合は2/3に引き上げるというものです。

また、夫が遺言等で自宅を第3者に遺贈したり親族に贈与したような場合

妻が自宅に住み続けることができなくなるため妻に居住権を認めるというもので

欧州では既に制定しているところもあるようです。

いずれも残された妻の生活を保護するための趣旨のようですね。

 

また、良くあるケースですが妻がどんなに義理の親の介護等をしていても

遺言がない限り金銭を受け取ることは、現在の民法ではできません。

そのような人達のために、相続人に対して金銭の請求権を付与するというものです。

これは不公平感の解決にはなると思いますが

実際のところは紛争に繋がる可能性も高くなるのでは…と感じました。

 

他にもいくつかあるようですが、私が相続手続きをしていて

個人的に改正しても良いのでは…と感じているのが、第三順位の代襲相続です。

これは、夫婦間に子供がいなく、更に両親も他界している場合は

兄弟が相続人になり、その兄弟が既に亡くなっている場合

その兄弟の子供達が代わりに相続するというものです。

実際に、夫を亡くした奥様が金融機関に換金に行ったところ

甥姪にあたる相続人全員の署名押印が必要と言われて手続きが進められない…

とお困りになって来所される方が本当に沢山いらっしゃいます。

あまりにもお気の毒で代襲相続まではどうなのか…

とその度に疑問を感じてしまいます。

中には甥姪とはお付き合いところか、どこに住んでいるのかもわからず

途方に暮れている方も過去にいらっしゃいました。

当事務所で相続人調査をし、手続きを無事に見届けた案件もいくつかありますが、

これから益々このようなケースが増えていくのではないかと感じています。

 

それでは、本年も微力ながら少しでも皆様のお役に立てますよう

精進してまいりますので、どうぞよろしくお願いします。